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ライフスタイルの中にラグビーを – WOMEN’S RUGBY COMMUNITY

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久保田有希さん

TOKYO GAJIN GIRLS RFC 所属

15人制ラグビーやセブンズとは少し違うルールや特徴を持つ、リーグラグビーやタグラグビーなど色々なラグビーを楽しむ久保田有希さん。タグラグビーでは、2018年からワールドカップに出場、2023年大会での出場、活躍を目指しています。平日は、仕事終わりにいくつかの男女混合の社会人チーム、土日は自らが立ち上げた女子チーム「Tokyo Gaijin Girls RFC」で練習。そんな久保田さんにとってラグビーとは何か、インタビューしました。

ラグビーをはじめたきっかけやラグビー歴を教えてください。

小学3年生の頃、兄と弟が通っていた一宮ラグビースクールに一緒についていったことがきっかけです。タグラグビーを始めたのもその頃。でも、その頃は女子だけのチームが無くて、途中で辞めてしまいました。高校3年生の時に、ニュージーランド元代表のスタンドオフ、ダン・カーター選手のプレイを見て、「私もこんな風にプレイをしてみたい」と思い、女子だけのチームを探して、名古屋レディースに入ってラグビーを再開しました。

ポジションは残念ながら、ダン・カーター選手とは違って(笑)バックスのウイングをやることが多いです。最近はチームを立ち上げたことで、初心者や経験者、色々な方が来てくれるようになりましたが、ポジションが偏ってしまうこともあるので色々なポジションをできるようになればと思って、練習しています。

私が今、主にプレーしているラグビーは13人制のリーグラグビーと8人制のタグラグビーという種目です。この2つはルールが結構似ていて、ざっくりとした違いはコンタクトがあるかないか。コンタクトがあるのがリーグラグビー、攻撃できる回数が6回と決められているという特徴があります。一方、タグラグビーはコンタクトがなく、タックルの代わりに腰に付けたひも(タグ)を取ることでボールを持った相手の動きを止めることができます。どちらのラグビーにもそれぞれ魅力があって、それぞれの特性が他のラグビーを競技するときに活かせるのが面白いところ。ラグビーと一言でいっても、15人制やセブンズだけでなく、全部含めてラグビーだなって思っています。

チームの立ち上げについて教えてください。

社会人になると、怪我が怖いからラグビーから離れようという女子選手もいると思いますが、コンタクトがないタッチラグビーやタグラグビーが普及していけば、ラグビーを続ける環境の一つになると考えています。私自身、仕事とラグビー、どちらも楽しく両立できていますが、普通の女の子たちが私を見て、「ラグビーって社会人になって仕事しながらでもできるんだ」と知ってもらえるといいなと思っています。

実は、チームを立ち上げる時、最初からすごく強い想いがあったわけではないんです。混ぜてもらっていた社会人ラグビーチームの男子の選手たちが、ユニフォームを作るときにカンパをくれたりして、バックアップをしてくれて。そこまで応援してくれるなら、やってみるか、とスタートしたものの、初めの頃は人数も集まらないし、私自身も練習になっているかさえ分からなくなって、迷うこともありました。

でも、掲示板やSNSで発信をするようになると、「ラグビーをやってみたい」という子たちが意外と集まってきて。そんな風に活動をするうちに、これまで周りの人たちに助けてもらってきたことを、今度はこれからはじめる女子の選手たちに返そうと思うようになりました。ラグビーには、先輩にもらった恩は、自分が先輩になった時に後輩に返す、というカルチャーがあります、私が楽しいラグビーを伝えることで今度はその人が別の人に伝える、みたいな良い循環が作れたらいいなと。チームには色々な人がいていいと思います、練習に顔を出せなくて自分の居場所がなくなることがないように「来れるときにくればいいよ」ってスタンスでいます。

”What RUGBY means to you? -あなたにとってラグビーとは?

かっこいい言葉を言おうと色々考えてみたんですが、どの言葉もしっくりこなくて、結局、何故自分がラグビーを続けているか言葉にできませんでした。きっと、その答えが見つからないから私はラグビーを続けているのかなって思います。

平日、仕事が終わると練習行ってラグビーして、土日も練習や試合の後、そのままチームメイトとご飯を食べたりして。練習がない日も「ボール蹴ろうよ、パスしようよ」とボール持って公園に集まっていて(笑)日常がどんどんラグビーで繋がっていっていて、ライフスタイルの中にラグビーがあることで、私の人生は楽しく広がっています。

2023年のタグラグビーのワールドカップに向けて、前回大会よりも良い結果が残せるように頑張っていますが、それぞれ異なる環境や状況にいるチームメンバーとは限られた頻度でしか集まれません。タグラグビー以外の種目のラグビーもプレーすることで、コンスタントにボールを使ったトレーニングができています。違う種目やメンバーとプレーすることで、思いがけず、自分の癖や弱点を克服するきっかけが見つかったりするのも面白いです。

私は、ラグビーは年齢を重ねても楽しめる生涯スポーツだと実感していますが、女子ラグビーの競技レベルが上がってきている一方で、気軽にラグビーを続けることが難しくなったという声も聞きます。草ラグビーを楽しむ等身大の自分や取り巻く環境を発信していきながら、一度ラグビーから離れてしまった人やこれから始めたいビギナーに向けて、誰もが身近で親しみやすい、無理なくラグビーを楽しめる環境を作っていきたいと思っています。

近い将来、そんな風に集まった女子チームのメンバーで海外の草ラグビーチームが集まるイベントに参戦できたら楽しいだろうな、と密かな野望も抱いています。(笑)

【What RUGBY means to you? 】久保田有希さん

取材協力:日本ラグビーリーグ協会チーム「South Ikebukuro Rabbitohs」
写真・文:WOMEN'S RUGBY COMMUNITY TEAM

South Ikebukuro Rabbitohs(サウス池袋ラビドーズ)
東京・豊島区を拠点とするリーグラグビーのチーム。オーストラリアのプロラグビーリーグチームである「NRLサウスシドニー・ラビトーズ」からサポートを受けて2016年に発足。https://www.japaneserl.com/%E5%9B%BD%E5%86%85%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%A0/%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%82%B9%E6%B1%A0%E8%A2%8B%E3%83%A9%E3%83%93%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%BA-south-ikebukuro-rabbitohs/

What RUGBY means to you?:
 
ラグビーを楽しんでいる人に
「ラグビーとは何か?どんな存在か?」インタビュー、
それぞれのラグビーを発信します。