ラベマイまこと
横河武蔵野アルテミ・スターズ ・ 凸版印刷株式会社 所属
”ブランビーズでのシーズンを終えて“(前編)
こんにちは。
今回はブランビーズでの2022年シーズンのお話をしたいと思います。
ブランビーズは、Super W(オーストラリアで開催されている女子ラグビーユニオンの大会)に出場し、3月上旬から4月中旬までの約1ヶ月半で5試合の公式戦を戦いました。
ブランビーズは予選の総当たりリーグを1勝3敗1分し、全体のランキングは6チーム中4位となりました。決勝トーナメントへは上位3チームが勝ち進むため、ブランビーズの2022年シーズンは予選リーグで終了してしまいました。
【予選リーグ後のランキング】
1位 フィジアナドルア(ゴールドコースト)
2位 ワラタス(シドニー)
3位 レッズ(ブリスベン)
4位 ブランビーズ(キャンベラ)
5位 レベルズ(メルボルン)
6位 フォース(パース)
私は17-17で引分けとなったレベルズ戦の後半20分と、10-15で負けたレッズ戦のラスト2分間の出場となりました。Super Wでプレーしてみて一番に感じたことは、パワーがあるなぁということ。オーストラリアの選手の多くは、身体のサイズが大きいにも関わらずスピードがあって、フィジカルが圧倒的に強いことを実感しました。一方で、日本の強みは早いセットと精度の高いアタックであるということも再確認しました。チームによって、とにかくよく走るチームや、ほぼ代表スコットで構成されているチームなど、それぞれに特徴があって面白かったです。
地域によっても周りの環境に違いがあるようで、私が所属していたブランビーズは内陸のキャンベラにあるので、海がなく草原が多い環境でトレーニングをしていました。時に、山にキャンプに行き、みんなで重いものを運ぶという変わったフィジカルトレーニングをしたり、チームで課題解決のチームビルディングを行ったり、グラウンドやジムばかりがトレーニングの場所ではないのだと、面白く学びになりました。
実は、私はシーズン前の1月下旬、ハムストリングスの肉離れを起こしてしまい、ブランビーズでリハビリを行い、シーズンの2戦目(レベルズ戦)になんとか復帰することができたという状況でした。そのためプレシーズンの練習試合には出場することができず、唯一長い時間出場したレベルズ戦もスクラムで苦戦し、とても悔しい試合となりました。レベルズ戦後は思った以上に私自身ショックを受けたようで、はじめて過呼吸になってしまい自分でもとても驚きました。
私のブランビーズでのシーズンは正直良いものとは言えませんが、シーズンを通して、様々な新しい経験を積み、新しい仲間と出会えたことは大きな財産になりました。
試合こそ満足に出場できませんでしたが、練習中にスクラムを対人で行うことができて、スクラムコーチは日本人の私にも熱心に指導してくださいました。それは後に日本代表ツアーに合流してからの自信にも繋がりました。試合でスクラムで押し負ける時もありましたが、自分なりに試合の中で修正しながら、冷静に対応できるようになったと実感しています。
ブランビーズで共にプレーした仲間の中には、トンガからパートナーと子どもとオーストラリアに来てプレーしている選手や舞台女優を目指している選手など、色々な選手がいました。舞台女優を目指していた選手は、1度引退したのですが、誘いがあって、もう1度ラグビーキャリアをスタートさせたと話してくれました。
ライフスタイル、プレースタイル、人柄など、様々な選手がいるチームでしたが、全てにおいて尊敬できる選手たちに出会うことができました。
シーズン後は1ヶ月ほど体調を崩し、その後コロナウィルスにも感染してしまうという悪コンディションに見舞われてしまいました。なんとか体調を戻し、日本代表のオーストラリア遠征に合流という、最後の最後までコンディション調整に悩まされてしまいました。
後編では、ブランビーズに挑戦するきっかけや経緯と、留学中の私の気持ちの変化などをお話ししたいと思います。
ブランビーズ(BRUMBIES):オーストラリア・キャンベラを拠点にするラグビーチーム。男子はスーパーラグビーの強豪で2020年には総合優勝、女子もスーパーウィメンズ(豪州版女子スーパーラグビー)に参戦する。 BRUMBIES https://brumbies.rugby
写真・文:ラベマイまこと