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ラグビーと日常 by らべまいまこと vol.8 – WOMEN’S RUGBY COMMUNITY

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ラベマイまこと

横河武蔵野アルテミ・スターズ凸版印刷株式会社 所属

Last

オーストラリアから帰国して1カ月、リラックスした時間を過ごした後、国内のテストマッチ4試合に向けての合宿が始まりました。

(実際にはこの1ヶ月の間にパートナーが今までお世話になったチームを離れ、新しいチームでチャレンジすることを決めたため怒涛の1ヶ月でした。)

エージェントや移籍先候補のチームの方との打ち合わせやお世話になった人への挨拶、引っ越しの準備などを2人でバタバタと進め、なんとか引っ越しができる状態にまで整えて、ギリギリで合宿へ出発したという感じでした。なので、本当のところゆっくりできた訳ではないのですが(笑)パートナーと過ごせた1ヶ月は心をリラックスさせる大切な時間でした。

8月は南アフリカとの釜石・熊谷でのテストマッチが2試合控えていました。合宿始めにハムストリングスの張りがあったため、私はリハビリからのスタートでした。なんとか1試合目に調整が間に合い、後半から出場。リハビリからの復帰戦だったこともあり、出場時間は20分と限られていましたが、前回のオーストラリア遠征で課題だったスクラムはチームメイトに修正点などたくさん出してもらうなど、準備をして臨んだことでしっかり組むことができました。またフィールドプレーでもアタック・ディフェンスともに積極的に参加することができ、手ごたえを得ました。

2試合目は熊谷で暑い気候の中での試合でした。スタートからの出場でしたが予想以上に暑さにやられ、思うように動けず課題がたくさん残りました。南アフリカは今まで国際試合をしてきた中でも格段にフィジカルが強く、次の日まともに起き上がれないほどの疲労度でした。今までの国際試合をした中で1番疲労度が高かった試合は前回ワールドカップのフランス戦でしたが、南アフリカとの試合はそれに次ぐ第2位の疲労度でした。

9月はアイルランドとの静岡・秩父宮でのテストマッチが2試合。一度家に帰れる時間ができたので、引っ越しをこのタイミングで。荷物のパッキングと引っ越し、荷解きと、バタバタの儚いオフ(笑)を過ごし、9月の合宿を迎えることとなりました。

静岡でのアイルランドとの1戦目は22ー57という大敗となり、悔しい結果となりました。特にモールディフェンスが課題となり、試合を終えて1週間でたくさん修正と対策を行いました。次の試合までの1週間は落ち込むというより、次は絶対勝ちたいという思いを心の底でフツフツさせながら過ごしました。私は実はとても気が強い方なのです(笑)

1戦目ではモールディフェンスも課題でしたが、個人的にはディフェンスでの課題も残り、試合の動画を何度も見直したり、いろんな人にアドバイスをもらったりしました。しかし、気持ちとは裏腹に慢性的な腰の痛みが1戦目で悪化、2試合目に出場できるかどうかギリギリの状態にありました。コーチやメディカルスタッフに、たくさんサポートしていただきなんとか試合に出場することができました。

秩父宮ラグビー場で行われた2戦目はアイルランドに勝利することができました。課題となっていたモールディフェンスでしっかりと食い止め、個人の課題であったディフェンスのチャンス時の反応の速さを改善することができたことが結果に繋がったように感じます。

アイルランドとは前回のワールドカップ前の練習試合を含め今まで、私自身5回戦ったことがありました。しかし、これまでは接戦や前半勝って後半戦に入ることはあっても1度も勝ったことがなく、悔しい思いをしてきた相手でした。今回の試合では80分間ずっと、グラウンドに立った全員がそれぞれ自分の強みを最大限に発揮し続けて勝利できたように思いました。

試合終了の笛が鳴ったときは、こんな喜びを味わえる瞬間があるんだと喜びがこみ上げてきました。また会場には福岡から来ていた家族や会社の方々、クラブチームのメンバーなどたくさんの人が応援に来てくれていて、そんな中でアイルランドというチームに勝利できたことが本当に嬉しかったです。

またヘッドコーチのレスリーさんが試合前に「私は次の試合で勝ち負けは気にしないので、自分たちのベストを尽くしてきてほしい」と1週間の間に繰り返し何度も言ってくれたこと、試合後のインタビューでこれまでチームに関わり努力してきた選手全員への感謝を伝えてくれたことは私たち選手にとって、とても大きなことだったように感じました。

私はこれまでプレッシャーで思うようにプレーできなかったり、他の選手たちと比べて自信を無くしてしまったり、ここまで来るまでにもたくさんのことがありました。しかし、私が抱える課題を逆に得意な選手を見つけ、その選手からたくさん教えてもらって課題に向き合い改善していきました。自分の強みには、集中して目の前の一つ一つのプレーに向き合い、試合に臨みました。

これから控えているワールドカップで、必ずしも毎回それらをうまくできる訳ではないと思うけど、学びを繰り返しながら頑張っていきたいです。

これで私のコラム「ラグビーと日常」は最後になります。

私のコラムを読んでくださったみなさんも、ワールドカップに向けて頑張ってきた日本代表チームと共に最後まで戦っていただけるとうれしいです!

写真・文:ラベマイまこと