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9月16日(土)東京・秩父宮ラグビー場にてラグビー女子日本代表とフィジー代表のテストマッチが行われ、同会場で「ジョシラグビー みんなで観戦イベント(主催:日本ラグビーフットボール協会、企画・運営:WOMEN’S RUGBY COMMUNITY®)」を開催しました。関東圏でラグビーをする女の子たち19人と保護者のみなさん、元日本代表選手やレフリー、現役選手など女子ラグビーに携わる13人が一緒に試合を観戦し、女子日本代表とフィジー代表を応援しました。

交流イベントは記者会見の会場

今回のイベントは、『子どもたちがトップレベルの試合を生で観戦することで女子ラグビーの魅力を体感して、夢をもってラグビーを続けるきっかけを作りたい。同世代の仲間や先輩たちとの出会い・交流の場にしたい。』そんな想いから実現しました。

それに大会主催である日本ラグビーフットボール協会さんが共感して下さり、一緒に企画を進めることに。普段は関係者しか入れない記者会見会場での交流イベントや秩父宮名物の場内FMラジオ「秩父宮FM」へ本イベントから、福島わさなさんと川崎桜子さんがゲスト出演して解説を担当するなど、さまざまなコラボレーションが実現しました。

今回の参加者は関東圏のラグビーをしている女の子たちで普段は男の子が多いチームでラグビーをしている子がほとんどです。

集合はキックオフ2時間前、秩父宮ラグビー場正門近く。手にリーフレットを持った現役女子ラグビー選手の青柳双葉選手と中村紘子選手が続々と集まる参加者を会場へ誘導します。

サポートメンバーの青柳双葉選手と中村紘子選手(Brave Louve 所属)

最初のプログラムは交流イベント。

そわそわとした緊張感が入り混じった空気の中、WOMEN’S RUGBY COMMNITY®コアメンバーで元日本代表の福島わさなさんの「みなさん、こんにちは!」の呼びかけで交流イベントがスタート。

交流イベントを進行する福島わさなさんと参加者
自己紹介をするサポートメンバー、会場は記者会見会場

現役選手やOG、元レフリーなど多様なキャリアのサポートメンバーの自己紹介が終わると、参加者たちは『お友だちカード』『日本代表への応援メッセージカード』を完成させていきます。サポートメンバーがはじめましての参加者同士の『お友だちカード』の交換を促して、それがきっかけになって自己紹介やおしゃべりが始まり、会場はあっという間に楽しそうな熱気に包まれていきました。

サポートメンバーと一緒にお友だちカードを記入

【サポートメンバー】

・福島わさなさん(WRCコアメンバー/元日本代表)

・小出深冬選手(WRCコアメンバー/アルカス熊谷)

・横尾千里さん(元日本代表)

・谷山美典選手(アザレア・セブン)

・川崎桜子さん(元レフリー)

・久保田有希選手(東京外人クラブ)

・新原響選手(YOKOHAMA TKM)

・小島碧優選手(YOKOHAMA TKM)

・藤殊華選手(YOKOHAMA TKM)

・小島晴菜選手(YOKOHAMA TKM)

・アテカ・レイヤモ選手(YOKOHAMA TKM)

・青柳双葉選手(Brave Louve)

・中村紘子選手(Brave Louve)

女子日本代表チームのウォームアップ見学

次のプログラムは観客席に移動して女子日本代表チームのウォームアップ見学。

みんなが席に着くとリーフレットが配布。そこには日本代表チームや対戦相手であるフィジーに関するクイズや試合の観戦ポイントが書かれています。なんと、サポートメンバーのYOKOHAMA TKM所属のアテカ・レイヤモ選手はフィジー出身の現役選手!対戦相手にもリスペクトの想いを持つことやノーサイドの精神など、ラグビーを続けていくうえで大切なことをクイズを解きながらみんなで共有していきました。

リーフレットの配布
リーフレットに名前を書く参加者たち
選手たちがグラウンドに出てくるまでみんなでクイズ

日本代表の選手たちがグラウンドに出てくると歓声が上がり、一気にみんなの視線が釘付けに。ウォームアップの時間だけという約束で特別に観客席の一番前で見学しながらサポートメンバーたちがウォームアップメニューや選手の体格の違いについて説明をします。女子の15人制ラグビーや選手を実際に見るのは初めてという参加者も多く、選手たちの姿に興味津々でした。

ウォーミングアップの見学

リオ五輪で笛を吹いた元レフリーの川崎桜子さんが「みんなグラウンドの真ん中を見て~」と声掛け、視線を移すとコイントスが行われていました。国際大会ならではのワンシーンにみんな興味深そうに川崎さんの話を聞きました。

コイントスの説明をする川崎さん

キックオフはじめての15人制ラグビーの観戦

今回のイベントでは、秩父宮ラグビー場名物の場内FMラジオ「秩父宮FM」とコラボレーションが実現。さっきまで観客席に一緒にいた福島わさなさんと川崎桜子さんがラジオブースに移動して解説を担当します。

1人ずつラジオ解説を聞くためのイヤホンとラジオ機器を配り、音が聞こえるか確認。イヤホンから流れる2人の声を聞きながら試合が始まるのを待ちました。

両国の選手たちの国歌斉唱が終わると、ピリリとした緊張感そのままにキックオフ。

試合前の国歌斉唱

世界ランキング17位のフィジーと同11位の日本、先制点は#17小林花奈子選手のトライで日本。24-19の日本リードで前半終了するも体格の大きなフィジーの選手たちのパワフルな攻撃に押されリードされる時間帯もありハラハラする試合展開に子どもたちからも歓声や拍手、応援の言葉が飛びます。後半そのまま両チームともに押しも押されずいいゲームが続き、最後は41―36で日本が勝ち切りました。

みんなで試合観戦する様子

あっという間の80分。試合終了後、フィジーチームが円陣を組み祖国の歌を歌うと会場からは自然と拍手が上がりました。その様子を見て、オンライン放送の解説を担当していたWOMEN’S RUGBY COMMNITY®のコアメンバー鈴木彩香さんは「フィジーは私たち日本よりずっと女性がラグビーをすることがマイナーで、環境も十分とはいえない中トレーニングをしています。日本に来て良い試合をしてくれたことに尊敬の想いしかない」と話しました。

イベント終了後、参加者から「代表の試合を観戦してモチベーションが上がった」「同じ世代のラグビーをする女の子たちや先輩たちと交流したことがなかったので楽しかった」「色々なキャリアでラグビーをする先輩たちと出会って何かをあきらめなくてもラグビーができると思えた」など、ラグビー観戦の魅力だけではなく仲間や憧れの存在との出会いと場となっていたようでした。

お借りしたラジオ機器
文:WOMEN'S RUGBY COMMUNITY TEAM