伊藤絵美さん
PEARLS チームマネージャー
三重県を拠点に活動する女子ラグビーチーム『PEARLS(パールズ)』チームマネージャーの伊藤絵美さんの3部構成のコラム。社会人になって女子ラグビーと出会い、気が付けばチームスタッフを任されるほどどっぷり。そんな伊藤さんにとってラグビーとはどんな存在か。#3(2)では伊藤さん自身が担われているマネージャーという仕事やチームの中での役割と通して実現したいこと、人生を通してのチャレンジについてお話いただきます。
MIE WOMEN’S RUGBY FOOTBALL CLUB PEARLS
私自身、PEARLSの理念とカルチャーに恩恵を受けた1人であり、おかげで最幸の現役生活を送ることが出来ました。そのためセカンドキャリアは、今度は私が選手たちをサポートする立場として恩返しをしたいと考えていました。
元々体育教師だった私は人前に立つこと、教えることが好きで、それが自分の得意分野でもありました。
コーチとしてのキャリアを積んで、いずれはPEARLSのコーチに!と将来のプランをイメージはしていましたが、自身の選手引退のタイミングで私たちを支えてくれていた堀野マネージャーの退団が分かりました。
当時のヘッドコーチであったクリスタル・カウア氏から、『絵美、マネージャーとして私たちと一緒に仕事をして欲しい。絵美にやってもらいたい。』とオファーをいただきました。
人に頼られたら断れない。何なら人から頼られたら絶対力になってあげたいと燃えてしまう性格上、答えは即決でした。
私のセカンドキャリアは、
『PEARLSトップチームマネージャー』
としてスタートを切ることになりました。
マネージャーの仕事は多岐に渡ります。
各チームで多少の誤差はあるかもしれませんが、私の場合は・・・
・練習や強化スケジュール作成
・遠征合宿、大会の準備と手配
・チームウェア制作と管理
・SNSでの情報発信
・出前授業やラグビークリニックの企画実施
・新加入選手関係業務
・トップ選手やスタッフに関わるサポート
(細々とした仕事を全て記載すると夜が明けてしまうので、ざっくりまとめるとこんな感じです。笑)
毎日多忙ですが、引退してもこうして選手たちと一緒に夢を追いかけられる日々は本当に幸せです。
チームマネージャーや、チームの総務といった仕事は、水汲み係でも氷係でもビデオ係でも無くて、(もちろんそういった細い仕事も時に必要ですが。)実はコーチ同様にチーム作りの中核になり、プロフェッショナルな意識で仕事をしなくてはならない重要なポジションだと思っています。(私はそういう意識で仕事をしています。)
そして選手たちが日本一を目指すのであれば、私も日本一のスーパーマネージャーにならなくてはと思い、今まで沢山の事にチャレンジして来ました。
今ではバスの運転も出来ますし、全く話せなかった英語も話せるようになりました。時にチームウェアのデザイナーとなり、選手と一緒に走り、余りの選手のコンタクトアップの相手になって勝つこともあります。笑
あまり優秀ではなくやんちゃだった中学生時代「ハローとサンキュー」しか言えなかった私が1人でニュージーランドへ行っても平気になる未来が来るとは。笑
ラグビーと素敵な人たちとの出会いは、いつも自分を新たな場所へ連れて行ってくれて、常に成長させてくれます。
最近になってもう一つ気付きましたが、PEARLSの中で自分にしか出来ないことがあります。
『PEARLSのカルチャーやヒストリーを伝える仕事。』
PEARLSには先ほどお伝えした理念のもと、沢山の素晴らしいカルチャーがあります。
そして決して忘れてはならない創設から現在までのヒストリーがあります。
選手たちの入れ替わりはありますが、全ての選手たちにPEARLSの魂を引き継いでいってもらうことが大切だと思っています。
PEARLS創設から今まで、どんなヒストリーでどんなカルチャーを大切にして今に至るのか。どんなことがあってもブレない、諦めない、強くて芯のあるチームでい続けるために、これを伝えていくことはとても重要な役割だと思っています。
私は全てを知っているPEARLSマニアでもあります。選手たちにこれらを継承し、そして過去に固執せず今までより更に良いチームを作ってもらうために、PEARLSのカルチャーコーチみたいな立場としてもチームに貢献出来ればと思っています。
私は今幸せです。
PEARLSがあるから幸せです。
ラグビーがあるから幸せです。
PEARLSを支えてくれる人たちがいるから幸せです。
PEARLSの選手たちが愛しくて仕方ないし、ラグビーをしている人が大好きです。
ラグビーとPEARLSに出会えて本当に幸せです。
もちろん、私にとってラグビーとは?と聞かれたら迷わず、
『幸せ』
と答えたいです。
ラグビーとの出会いで、私の人生は幸せなものになりました。
女子ラグビーに関わる人、女子ラグビーを見た人、PEARLSに来てくれた選手や、ラグビーを通じて私やPEARLSと出会う全ての人たちを幸せに出来るように、私はこれからもラグビーを愛して、PEARLSを愛して生きていきたいと思います。
『人が人を呼び、つながっていく』
そして、私がそうであったように、1人でも多くの女子ラグビーの競技者を増やすこと、1人でも多くの選手がセカンドキャリアでラグビーに関わってくれる未来を創っていくために、これからも女子ラグビーの魅力を伝え続けていきたいと思っています。
ラグビーで人生を幸せに。
PEARLS最高!
女子ラグビー最高!
文:伊藤絵美